人に対して嫌な言葉を使う人は、おそらく自分のことをそう思っていて、でも自分で自分をそう思っていることに気付きたくないし、本当はそうありたくないから、人(外)に対してその言葉を使うことで、自分(内)はそうじゃないと思いたいのだろうな、と思った。…

やりたいことと、やりたいことをするための日常を支えるためにやらなければならないこと

挿し木の桜

桜の挿し木が意外にもとても綺麗に咲いた。枝に触れてみると、節々はごつごつしているのに肌はすべすべとしていてうっとりする。最も新しい細胞は枝先らしいのだけれど、やはり枝先はつるつるとしていて、根元へ行くほど肌に水分がなくなって皺か深くなって…

懐かしさ

季節の変わり目の匂いの懐かしさに、打ちのめされたような、到底太刀打ちできないような無力感みたいなものを感じるのだけれど、それでもノスタルジーに浸るのは好きです。悲しいような苦しいような思いがするのに好きって不思議だな。けれど、懐かしさとは…

過去と未来と希望

『バルザックが恐ろしいことを言っています。すなわち、「希望は過去にしかない」と。人生で、いちばん空しく、みじめなことは何でしょうか?それは「かつては……だった」「かつては美しかった」「かつては強かった」「かつては有名だった」等々、生きながら…

好きに生きたいし好きに生きるに決まってる

いつかは消えてしまう命ならば残るものを!

誰かに嫌なことを言われて苛立っているときは、同じ言葉を頭の中で何度も再生してムカつく!ってなる。でも、その人の抜け殻に苛立っているだけなのだと思うと少し落ち着く気がするし、苛立っているのが馬鹿らしくなる。

所属欲

王道や多数派において疎外感を感じてしまうから、異端かつ目立つ組織に属したいと思ってしまうのかな。しかも、彼らは自分をとても歓迎してくれる。所属欲と承認欲求を同時に満たしてくれる。そして、見たくないものから目を逸らしたいがためにこじつけの理…

生まれ持った性質や育った環境や周りの大人がどんな対応をしたかというものは、やはり運だ。そう考えると、人と違う性質(怒りが抑えられないとか)を生まれ持ってしまったというのは、やはり不幸なことだと思う。そういう子は早いうちに専門家に看てもらって…

悲しいことからまた悲しいことが引き起こされて死んでしまう人がいることを思うと、やはり人生が最高とは言い切れない。神様がいるとしたら、それは私たちみたいに知っていながらも何もできず、既に引き起こされたことに僅かに感情を揺さぶられながらもぼう…

卒業

今はまさに、ずっとコップの中で滞留していた水が、崩れた表面張力によって外へ押し出され、抗えない力に流されてしまうような不安の中にある。

「元気で明るい人募集!」

仕事を探すと、9割の求人に「元気で明るい人」が条件の一つにあげられている。私はその文字列を見るとげんなりして、求人情報を見ているのがひどく馬鹿馬鹿しくなる。私はお世辞にも元気で明るい人間だとは言えないし、自分を良く見せる嘘というものに虫唾が…

何者にもなれないのだろうな、と。このまま何も残せないまま、死んでいくのだろうな。凡庸の中から抜け出したいと思うのは、誰の特別にもなれないと分かっているからだ。

そこにずっと吊るされている夏の死骸

茶色い街と金色の少女

走る、走る、走る。 暴力的に投げかけられる言葉も、ちゃんとは聞き取れていない。ただ、それらを身に迫る危険信号として処理し、神経は体の動きに集中していた。 素早く走りながらも手すりから上半身がはみ出さぬように体を屈め、なおかつ足音も息の音も立…

自分の書いた文章に、一瞬、その場面の空気感の色が見えた気がして、嬉しくなった。まだ下手なことは分かっているけれど。嬉しくなるのはほんの一瞬だけだ。いつも少し時間が経つと、自分の書いた文章がとても恥ずかしくて仕方なくなる。

繊細さを忘れないままならばそりゃ口の上手い人間になりたい

われ、山にむかいて、目を挙ぐ わが扶助はいずこよりきたるや

結局、自分のことに責任が持てないだけだ。

からから

川辺の風は切り裂くように冷たく、だんだんと頬や耳の感覚が奪われてゆく。僕は言わずにはいられなかった。 「遠くへ行きたい。」 「遠くって、どこ。」 「僕のことを知る者がいないような、とにかく、遠く、遠くにあるところだ。」 僕は一瞬口篭って、また…

人より秀でたものが何一つ無いし、自分で思っているほど自分には能力もないし、きっと死ぬまで、死んでも何者にもなれないのだろう。自分の生が無に帰ることが恐ろしい。ならばもう、自分のやることに縋るしかないじゃないか。

朝に見た、密度の上がる前の紫雲の合間にのぞく藍白とぼやけた橙の一筋が、とても優しかった。

死ぬとはどういうことなのだろう。ああ残るものが欲しい。

背の高い木々の緑と煉瓦造りの大きな図書館強いわけでもないのにひどく白んだ日の光あの感じをどうやって掴めばいいのか

幼い頃、教会でお祈りをしながらも、気にするのは神様の目ではなく大人たちの目だった。食事の前のお祈りも就寝前のお祈りも、一向に覚えられなくて、いつもただ聞いているだけだった。

ペット税なんか設けたらペットを生き甲斐にしているお年寄りが飼えなくなってしまうし、お金がない人は飼わなければいいという問題ではない。ていうか本当にペットショップを無くせば色々なことが解決する。お金にならなくなるからパピーミルもなくなる。里…

色玉

色玉。それは、数ある駄菓子屋の中でも「朧月屋」でしか手に入らない希少な飴玉だ。ひと袋二百円もする。噂によると、それを手に入れられるのは店の馴染み客だけだというが、どんな馴染み客もその実物を目にしたことはなかった。晶もその一人だ。彼はもう五…

正常ってなんだろうっていう感じだよ

シリウス

Pm9:00 水貴は日課の散歩に出た。冷たい一吹きの風が吹き付けた。どこか懐かしい匂いがして、瞳が潤む。見上げた空はすっかり澄み渡り、星がよく見えた。 まだ夜になったばかりだが、街はすでに静けさに包まれていた。いつものように川沿いの道を歩いている…